白露 農事
「天時に従い、農時を違えず。」
白露(Báilù)の頃、中国の大部分では気温が明らかに下がり、昼夜の寒暖差が大きくなって秋の気配が深まる。秋収穫作物は全面的な収穫期へ入る。華北平原では夏トウモロコシが成熟・収穫の最盛期を迎え、春トウモロコシの収穫はほぼ終了し、綿花は収穫最盛期へ入り、冬小麦の播種準備も順次始まる。長江流域では中稲が全面的な収穫期へ入り、晩稲は出穂・開花期へ進む。華南でも晩稲が出穂・開花期へ入り、熱帯果実の収穫が続く。東北ではトウモロコシ、水稲、大豆が全面的な収穫期へ入り、早霜リスクは年間で最も高い時期に達する。西北では綿花が収穫最盛期へ入り、果樹園の収穫が続き、冬小麦の播種も順次始まる。南半球の温帯では初春にあたり、オーストラリア南東部とアルゼンチンでは冬小麦が節間伸長から出穂期へ進み、春耕・春播きが全面的に展開する。北半球の熱帯では雨季が後半へ入り、水稲は成熟・収穫期へ進む。南半球の熱帯では乾季が続き、乾季作物の収穫はすべて終了する。
世界の農事
北半球の温帯地域
物候現象
中国の大部分では気温が明らかに下がり、昼夜の寒暖差が大きくなる。北方では秋空が高く澄み、爽やかな気候となり、南方では夏の暑さが退いていく。雁は南下を始め、ツバメも南へ渡る準備をし、鳥たちは冬に備えて食べ物を蓄え始める。木の葉は色づき始め、秋色が次第に深まる。日本の関東地方では秋の涼しさが感じられるようになり、韓国でも秋の気配がはっきりし、菊が咲き始める。
農事活動
華北平原では夏トウモロコシが成熟・収穫の最盛期へ入り、苞葉が白くなり、粒が硬くなり、乳線が消失すると、農家は晴天を逃さず収穫、乾燥、収納を進める。春トウモロコシの収穫はほぼ終了する。綿花は収穫最盛期へ入り、多数の綿鈴が吐絮し、農家は晴天を逃さず収穫し、その後速やかに乾燥、選別、梱包して販売する。冬小麦の播種準備も順次始まり、種子購入、肥料準備、播種機の点検、作付計画の策定を進める。冬小麦の播種は9月下旬から10月上旬に行われる。長江流域では中稲が全面的な収穫期へ入り、稲穂が黄変し、粒が充実すると、農家は晴天を逃さず刈り取り、乾燥、収納する。晩稲は出穂・開花期へ入り、浅水を保ち、カリ肥を中心とした 穗肥 を追肥し、いもち病、紋枯病、トビイロウンカなどを防除する。出穂・開花期に長雨や高温となると受粉・結実へ影響するため、天候にも注意する必要がある。華南では晩稲が出穂・開花期へ入り、浅水管理と 穗肥 の追肥など水肥管理を強化し、いもち病、紋枯病、トビイロウンカなど、防除の重要期へ入る病害虫に対応する。また、華南では9月も台風活動期にあるため、台風への備えを続ける。東北ではトウモロコシ、水稲、大豆が全面的な収穫期へ入り、「三秋」 の農繁期が全面展開する。農家は晴天を逃さず収穫、乾燥、収納を進める一方、早霜リスクが年間のピークに達するため、早霜予報を細かく確認し、霜が来る前に収穫を終える必要がある。西北では綿花が収穫最盛期へ入り、農家は晴天を逃さず収穫する。果樹園ではリンゴ、香梨、葡萄などの収穫が集中し、冬小麦の播種も順次始まる。北疆では冬小麦を9月中下旬に播種する。
物候現象
西ヨーロッパでは気温が引き続き下がり、農作物は全面的な収穫期へ入る。フランスとドイツではトウモロコシ、ヒマワリが収穫期へ進む。中欧では秋の気配が深まり、葉の色づきもはっきりしてくる。北欧では日照時間がさらに短くなり、秋色が濃くなる。
農事活動
フランスとドイツではトウモロコシが収穫期へ入り、農家は晴天を逃さず収穫、乾燥、収納を進める。ヒマワリも収穫期へ入る。フランスのボルドー、ドイツのラインヘッセンなど葡萄産地では葡萄が全面的な収穫期へ入り、醸造用品種の収穫が集中する。糖度と酸度が醸造基準へ達すると収穫し、収穫適期は通常 2〜3週間 しかなく、ワイナリーは一年で最も忙しい圧搾期へ入る。ウクライナの黒土地帯ではトウモロコシとヒマワリが収穫期へ入り、農家は大規模な秋播きを始める。冬小麦は9月中下旬に播種され、耕起、基肥施用、播種を同時に進める。
物候現象
アメリカのカンザス、ネブラスカなど冬小麦地帯では春小麦の収穫がすべて終了する。カリフォルニア州セントラルバレーの果樹園では成熟・収穫が最盛期を迎える。アメリカ中西部の春トウモロコシは収穫期へ入り、田野は一面の黄金色となる。カナダ・オンタリオ州では農作物が収穫期へ入り、秋色が濃くなる。
農事活動
アメリカでは春小麦の収穫がすべて終了する。カリフォルニア州セントラルバレーでは果樹園の成熟・収穫が最盛期となり、葡萄、柑橘、クルミなどが集中的に収穫される。アメリカ中西部では春トウモロコシが収穫期へ入り、農家は晴天を逃さず収穫、乾燥、収納を進める。アメリカ南東部では綿花が収穫最盛期へ入り、落花生も収穫期へ入る。カナダのプレーリー諸州では春小麦が収穫期へ入り、農家は晴天を逃さず収穫、乾燥、収納を進める。
物候現象
トルコのアナトリア高原では夏作物の収穫が終盤へ入る。イランのカスピ海沿岸では果樹が成熟・収穫期へ入る。北アフリカ地中海沿岸では夏作物の収穫が終盤へ入る。
農事活動
トルコでは夏作物の収穫が終盤へ入り、秋播き準備も順次始まる。北アフリカ地中海沿岸でも夏作物の収穫が終盤へ入る。南アフリカ・ケープ地方では葡萄園の春季管理が引き続き進み、春季剪定、施肥、病害虫防除を行う。
南半球の温帯地域
物候現象
初春にあたり、気温は 12〜18℃ まで上がり、春の気配がさらに濃くなる。冬小麦、大麦、菜種など秋播き作物は節間伸長から出穂期へ入り、生育が加速する。牧草は全面的に緑を取り戻し、春らしい景観が広がる。
農事活動
冬小麦、大麦、菜種など秋播き作物は節間伸長から出穂期へ入り、これは穂粒数を決める重要段階である。圃場管理を強化し、拔节肥 として 尿素8〜10kg/ムー を追肥し、水分供給を確保し、アブラムシ、さび病など、防除適期へ入る病害虫を防除する。春耕・春播きは全面展開し、春小麦、春大麦など春作物の播種が最盛期へ入る。農家は土地を耕起し、基肥を施し、播種を進める。牧場でも春季管理が続き、放牧密度を徐々に高め、牧草の生育再開管理、施肥、追播を行う。
物候現象
初春となり、気温は 12〜18℃ まで上がる。冬小麦、大麦、菜種など秋播き作物は節間伸長から出穂期へ入る。草原は緑へ変わり、春らしい景観が濃くなる。
農事活動
冬小麦、大麦、菜種など秋播き作物は節間伸長から出穂期へ入り、拔节肥 の追肥、水分供給の確保、病害虫防除など圃場管理を強化する。春耕・春播きは全面展開し、春作物の播種が最盛期へ入る。牧場でも春季管理が引き続き進む。
物候現象
初春となり、気温は 10〜15℃ まで上がる。牧草は全面的に緑を取り戻す。キウイフルーツは萌芽から展葉期へ入り、葡萄園は萌芽から新梢生長期へ進む。
農事活動
牧場では春季管理が続き、放牧密度を徐々に高め、牧草の生育再開管理と施肥を行う。キウイフルーツ園は春季管理の重要段階へ入り、春季剪定、施肥、病害虫防除を進める。葡萄園でも春季管理が全面的に展開し、春季剪定、施肥、病害虫防除を行い、新梢が伸び始める。
熱帯・亜熱帯地域
物候現象
雨季は後半へ入り、降雨量が徐々に減る。タイ、ミャンマー、ラオスなどでは水稲が成熟・収穫期へ入り、田野は黄金色となる。インドでは西南モンスーンが次第に弱まり、降雨量も減少する。中国華南南部では晩稲が出穂・開花期へ入り、田野は一面の青緑となる。
農事活動
水稲は成熟・収穫期へ入る。東南アジアでは水稲が登熟期から成熟・収穫期へ進み、農家は晴天を逃さず刈り取り、乾燥、収納を進める。インドでも西南モンスーンが次第に弱まり、水稲が成熟・収穫期へ入る。中国華南南部では晩稲が出穂・開花期へ入り、浅水を保ち、穗肥 を追肥するなど水肥管理を強化し、いもち病、紋枯病、トビイロウンカなどを防除し、台風や豪雨にも備える。
物候現象
乾季が続き、晴れて乾燥した天候となる。ブラジル中西部では乾季らしい景観が明確で、空気は乾燥し、昼夜の寒暖差も大きい。
農事活動
乾季作物の収穫はすべて終了し、乾季休耕期へ入る。農家は乾季を利用して土地の整備、農業水利施設の保守、農機点検を行う。ブラジル中部では第二期トウモロコシの収穫もすべて終了する。乾季は農機点検と農業水利施設の保守に最適な時期でもある。
中国六大農業地域
| 農業地域 | 主要地域 | キーワード |
|---|---|---|
| 中国東北部 | 黒竜江省、吉林省、遼寧省、内モンゴル自治区東部 | 全面収穫、早霜対策、晴天収穫、乾燥・収納 |
| 中国西北部 | 新疆ウイグル自治区、甘粛省、寧夏回族自治区、内モンゴル自治区西部、青海省 | 綿花収穫、果樹収穫、冬小麦播種、秋播き準備 |
| 華北 | 河北省、山西省、北京市、天津市、山東省、河南省北部 | 夏トウモロコシ収穫、綿花収穫、冬小麦準備、乾燥・収納 |
| 長江中下流域 | 湖北省、湖南省、江西省、安徽省、江蘇省、浙江省北部、上海市 | 中稲収穫、晩稲出穂、秋播き準備、病害虫防除 |
| 中国西南部 | 四川省、重慶市、貴州省、雲南省、チベット自治区南東部 | 中稲収穫、トウモロコシ収穫、菜種準備、果樹園管理 |
| 華南・中国台湾 | 広東省、広西チワン族自治区、海南省、福建省南部、台湾省 | 晩稲出穂、熱帯果実、台風対策、圃場管理 |
黒竜江省、吉林省、遼寧省、内モンゴル自治区東部
白露の頃、東北では 「三秋」 の大農繁期が全面的な収穫段階へ入り、トウモロコシ、水稲、大豆の三大作物を同時に収穫する。早霜リスクは年間のピークに達し、一年の農事の中でも最も緊張し、最も重要な時期となる。
トウモロコシの全面収穫期。 東北の春トウモロコシは白露に全面的な収穫期へ入り、苞葉が白くなり、粒が硬くなり、乳線が消失し、黒層が形成され、生理的成熟へ達する。農家は晴天を逃さず収穫し、コンバインが昼夜を問わず圃場で作業して、トウモロコシの収穫、脱粒、茎葉粉砕を一工程で行う。収穫後は速やかに乾燥し、水分14%未満 まで下げてから収納するか、機械乾燥する。収穫適期は通常 2〜3週間 しかないため、天気予報を細かく確認する必要がある。降雨が予想される場合には雨前に収穫を終えるか、防水シートをかけるなど防雨対策を行う。早く収穫しすぎると粒が十分に充実せず千粒重が低下し、遅すぎると鳥害・鼠害や降雨によるカビの被害を受けやすい。白露は東北でトウモロコシ収穫が最も集中する時期である。
水稲の全面収穫期。 東北の水稲は白露に全面的な収穫期へ入り、稲穂が黄変し、粒が充実して硬くなり、生理的成熟へ達する。農家は晴天を逃さず収穫し、水稲用コンバインが田で作業する。収穫後は速やかに乾燥し、水分14%未満 まで下げてから収納するか、機械乾燥する。水稲の収穫適期は通常 1〜2週間 しかなく、天気予報を細かく確認する必要がある。降雨が予想される場合には雨前に収穫を終える。雨に濡れると籾が発芽したり、カビが発生したりする可能性がある。早く収穫しすぎると粒が十分に充実せず、千粒重が低下して秕粒が増え、遅すぎると落粒や雨による発芽が起こりやすい。
大豆の全面収穫期。 東北の大豆は白露に全面的な収穫期へ入り、葉がすべて落ち、莢が黄変し、種子が充実して硬くなり、生理的成熟へ達する。農家は晴天を逃さず収穫し、大豆用コンバインが圃場で作業する。収穫後は速やかに乾燥し、水分13%未満 まで下げてから収納する。大豆の収穫適期は通常 1〜2週間 しかなく、早く収穫しすぎると種子が十分に充実せず、遅すぎると莢が裂開して落粒しやすい。
早霜リスクのピーク。 白露は東北で早霜リスクが最も高い時期であり、黒竜江北部や内モンゴル北東部では9月上旬から中旬に早霜が発生する可能性がある。早霜は東北の秋収穫にとって最大の脅威であり、一度の霜で未成熟または未収穫のトウモロコシ、水稲、大豆が凍害を受け、大幅な減収、さらには収穫皆無につながる可能性がある。対策として、早霜前の急速収穫 を行い、成熟した作物、早生品種、高台の圃場、凍害を受けやすい圃場から優先して収穫する。さらに、霜前灌漑 として霜予報前に 5〜10cm 灌水し、水の比熱を利用して冷却を遅らせ、地表温度を 2〜3℃ 高める。これは白露の時期に最も効果的な防霜対策である。また、耐寒剤やリン酸二水素カリウムをあらかじめ散布して耐寒性を高める。
牧区の冬季飼料備蓄。 内モンゴル東部では牧民が冬季飼料の大規模な刈り取り、乾燥、梱包、貯蔵を始め、家畜が安全に越冬できるよう準備する。
新疆ウイグル自治区、甘粛省、寧夏回族自治区、内モンゴル自治区西部、青海省
西北では白露の頃、秋季管理の重要段階へ入り、綿花は収穫最盛期、果樹園では収穫が続き、冬小麦の播種も順次始まる。
綿花の収穫最盛期。 新疆の綿作地帯では綿花が白露に収穫最盛期へ入り、多数の綿鈴が吐絮し、綿毛が現れて収穫基準へ達する。農家は晴天を逃さず収穫する。新疆綿区ではなお手摘みを中心とし、収穫基準は厳格で、完全に吐絮した白綿だけを採り、まだ完全に開いていない青綿や汚染綿は採らない。また、収穫時には異物の混入を防ぐ。収穫後は速やかに乾燥、選別、梱包して収納または販売する。収穫期は通常 1〜2か月、8月下旬から10月下旬 まで続き、白露から秋分にかけてが最も収穫の集中する時期となる。天気予報を細かく確認し、降雨が予想される場合には雨前に収穫する必要がある。雨に濡れると綿繊維の品質が低下し、黄変やカビが発生しやすい。
果樹園の収穫継続。 南疆ではリンゴ、香梨、葡萄などの収穫が続く。香梨の収穫は終盤へ入り、その収穫期は通常8月中下旬から9月上旬で、収穫後は速やかに予冷、選別、包装、冷蔵または販売する。香梨は新疆を代表する果実のひとつで、品質要求も非常に高い。葡萄の収穫は最盛期へ入り、生食用品種の収穫が続く一方、醸造用品種は9月に集中的に収穫する。糖度と酸度が醸造基準へ達すると収穫し、ワイナリーは一年で最も忙しい圧搾期へ入る。早生リンゴ品種の 「嘎啦」、「美国八号」 などの収穫が続き、中生品種の 「红星」、「金冠」 なども収穫が始まる。果農は成熟度を見極めて適期収穫する必要があり、リンゴでは 果皮着色度80%以上、硬度8kg/cm²以上、糖度13%以上 が収穫基準となる。収穫後は速やかに予冷、選別、包装、冷蔵または販売し、その後に剪定と施肥を行って樹勢を回復させる。
冬小麦の播種開始。 西北では白露の頃から冬小麦の播種が順次始まる。北疆では9月中下旬に播種し、秋の降温と冬季の積雪被覆を利用して安全な越冬を図るため、播種時期が比較的早い。甘粛河西回廊では9月下旬から10月上旬に播種する。農家は土地を 20〜25cm の深さまで耕起し、農家肥+複合肥による十分な基肥を施し、耐寒・耐乾燥・耐病性のある品種を選び、適期に 3〜5cm の深さで播種した後、鎮圧して保墒する。冬小麦の播種品質は越冬生存率と翌年の収量へ直接影響する。
特色作物。 甘粛・定西のジャガイモ収穫は終盤へ入る。寧夏のクコ収穫も終盤へ入る。新疆の加工用トマト収穫も終盤へ進む。
河北省、山西省、北京市、天津市、山東省、河南省北部
華北では白露の頃、秋収穫が最も忙しい段階へ入り、夏トウモロコシは成熟・収穫最盛期、綿花は収穫盛期を迎え、冬小麦の播種準備も順次始まる。
夏トウモロコシの成熟・収穫最盛期。 華北の夏トウモロコシは白露に成熟・収穫最盛期へ入り、苞葉が白くなり、粒が硬くなり、乳線が消失し、黒層が形成され、生理的成熟へ達する。農家は晴天を逃さず収穫し、コンバインが昼夜を問わず圃場で作業する。収穫後は速やかに乾燥し、水分14%未満 まで下げてから収納する。収穫適期は通常 1〜2週間 しかないため、天気予報を細かく確認する必要がある。降雨が予想される場合には雨前に収穫を終える。早く収穫しすぎると粒が十分に充実せず、遅すぎると鳥害・鼠害や雨によるカビが発生しやすい。白露から秋分にかけてが華北の夏トウモロコシ収穫が最も集中する時期である。
春トウモロコシの収穫はほぼ終了。 華北の春トウモロコシは白露に収穫がほぼ終了し、粒は収納され、茎葉処理も同時に完了する。茎葉は圃場へ還元するか、梱包して圃場外へ搬出する。
綿花の収穫盛期。 華北の綿花は白露に収穫盛期へ入り、多数の綿鈴が吐絮して綿毛が現れる。農家は晴天を逃さず、完全に吐絮した白綿のみを収穫し、青綿や汚染綿は採らない。収穫後は速やかに乾燥、選別、梱包、販売する。綿花の収穫は10月まで続き、白露から秋分が最も収穫の集中する時期である。
冬小麦の播種準備。 華北では白露の頃から冬小麦の播種準備が順次始まる。播種は9月下旬から10月上旬に行われる。「白露早,寒露迟,秋分种麦正当时」 という農諺は、華北では秋分前後が冬小麦の適播期であることを表している。農家は種子を購入し、当地の気候や土壌条件に合わせて耐寒・耐乾燥・耐病性のある品種を選ぶ。肥料は複合肥を中心とした基肥を 20〜25kg/ムー 準備し、播種機を点検して播種深度、条間、播種量を調整し、播種面積、品種構成、播種時期を決める作付計画を策定する。
果樹園の収穫継続。 華北ではリンゴやナシなどの収穫が続く。早生リンゴの収穫は終盤へ入り、中生品種の 「红星」、「金冠」 などは9月に収穫最盛期を迎える。ナシでは 「鸭梨」、「皇冠梨」 などが収穫最盛期へ入る。果農は適期収穫、収穫後管理、収穫期の果実病害防除に注意する。
野菜管理。 華北の露地野菜は収穫最盛期へ入り、秋白菜、秋大根など秋播き野菜は生育の重要段階へ進むため、水肥管理と病害虫防除を強化する必要がある。
湖北省、湖南省、江西省、安徽省、江蘇省、浙江省北部、上海市
長江中下流では白露の頃、秋季管理の重要段階へ入り、中稲は全面的な収穫期、晩稲は出穂・開花期へ進み、秋播き準備も順次始まる。
中稲の全面収穫期。 長江流域の中稲は白露に全面的な収穫期へ入り、稲穂が黄変し、粒が充実して硬くなり、生理的成熟へ達する。農家は晴天を逃さず収穫し、水稲用コンバインが田で作業する。収穫後は速やかに乾燥し、水分14%未満 まで下げてから収納するか、機械乾燥する。中稲の収穫適期は通常 1〜2週間 しかなく、天気予報を細かく確認する必要がある。華西秋雨 や台風による降雨が予想される場合には、雨前に収穫を終える必要がある。
晩稲の出穂・開花期管理。 長江流域の晩稲は白露に出穂・開花期へ入り、幼穂が出穂し、開花・受粉する。これは結実率を決める重要段階である。管理では、田面に 3〜5cmの浅水 を保ち、断水を避ける。カリ肥を中心とした 穗肥 として 塩化カリ3〜5kg/ムー を追肥し、開花・結実と粒の発育を促す。天候にも注意し、出穂・開花期に 華西秋雨 による長雨が続くと受粉・結実へ影響し、32℃以上 の高温では花粉が失活して秕粒が増える。いもち病、紋枯病、トビイロウンカなどは防除の重要期へ入り、穂首いもちは 出穂前と穂揃い後にそれぞれ一回ずつ三環唑(トリシクラゾール)を散布する。出穂・開花期の管理は結実率と最終収量へ直接影響する。
秋播き準備。 長江流域では白露の頃から秋播き準備が順次始まる。菜種は9月下旬から10月上旬に播種する。長江流域は中国最大の菜種産地であり、秋播き作物の中でも菜種の作付面積が最も大きい。農家は菜種種子を購入し、高収量・高品質・耐病性品種である 「中油」、「华油」 系列などを選ぶ。複合肥を中心とした基肥を 20〜25kg/ムー 準備し、水稲収穫後は速やかに耕起・整地する。
病害虫防除。 白露の頃も晩稲の病害虫は多発期にある。重点防除対象は、いもち病(穂首いもち) で、防除薬剤は 三環唑(トリシクラゾール)または稲瘟霊(イソプロチオラン)、紋枯病 は 井岡霉素(バリダマイシン)または苯甲・丙環唑(ジフェノコナゾール+プロピコナゾール)、トビイロウンカ は イミダクロプリドまたはブプロフェジン、メイチュウ類 は 殺虫双(ジメハイポ)またはBt製剤 を用いる。農家は圃場巡回を強化し、病害虫を確認したら速やかに防除する必要がある。
野菜と水産養殖。 長江流域では秋白菜、秋大根、秋レタス、ホウレンソウなど秋播き野菜の播種・育苗が引き続き進む。水産養殖では気温が徐々に下がる一方、魚類の摂餌は旺盛なため、給餌管理と水質管理を強化する。
四川省、重慶市、貴州省、雲南省、チベット自治区南東部
西南では白露の頃、農事活動が秋季管理の重要段階へ入り、中稲は収穫期、トウモロコシは収穫期へ進み、菜種の播種準備も順次始まる。
中稲の収穫期。 西南の中稲は白露に収穫期へ入り、稲穂が黄変し、粒が充実して生理的成熟へ達する。農家は晴天を逃さず収穫、乾燥、収納を進める。
トウモロコシの収穫期。 西南の春トウモロコシは白露に収穫期へ入り、苞葉が白くなり、粒が硬くなり、生理的成熟へ達する。農家は晴天を逃さず収穫、乾燥、収納する。
菜種の播種準備。 西南では白露の頃から菜種播種の準備が順次始まる。播種は9月下旬から10月上旬に行われ、農家は種子購入、肥料準備、耕起・整地を始める。
果樹園管理。 西南の柑橘産地では果実の着色期へ入り、果実が色づき始め、糖分の蓄積が始まる。これは柑橘の品質を決める重要段階である。管理では、糖分蓄積と着色を促すため 硫酸カリ5〜8kg/ムー を追肥する。水分は適度に抑えて糖分蓄積を促すが、過度の乾燥によって果実肥大へ影響しないよう注意する。ミカンハダニ、ハモグリガ、かいよう病、炭疽病なども防除の重要期へ入る。
ジャガイモ収穫。 雲南、貴州、四川の主要産地では春ジャガイモの収穫が続き、中晩生品種が収穫期へ入る。農家は晴天を逃さず収穫、乾燥、選別、貯蔵する。
広東省、広西チワン族自治区、海南省、福建省南部、台湾省
#### (一)大陸華南部
晩稲の出穂・開花期管理。 華南の晩稲は白露に出穂・開花期へ入り、幼穂が出穂し、開花・受粉する。これは結実率を決める重要段階である。管理では田面に 3〜5cmの浅水 を保ち、カリ肥を中心とした 穗肥 として 塩化カリ3〜5kg/ムー を追肥し、いもち病、紋枯病、トビイロウンカなど、防除の重要期へ入る病害虫を防除する。また、華南では9月も台風活動期にあり、台風による暴風雨は水稲の倒伏や受粉阻害を引き起こす可能性があるため、台風への備えも必要となる。
熱帯果実管理。 広東、広西、海南のバナナは果実発育期から成熟前期へ進み、カリ肥を追肥して果実発育を促すなど水肥管理を強化する。また、台風に備えてバナナ株を補強し、排水溝を清掃する。柑橘は果実着色期へ入り、果実が色づき始め、糖分蓄積も始まる。糖分蓄積と着色を促すためカリ肥を追肥し、水肥管理を強化するとともに、ミカンハダニ、ハモグリガ、かいよう病などを防除する。リュウガンの収穫はすべて終了し、収穫後管理へ入る。
台風対策。 華南では白露の頃もなお台風活動期にあり、台風による暴風雨は水稲の倒伏、果実の落果、温室施設の損傷、水産養殖への被害を引き起こす可能性がある。農家は台風警報を細かく確認し、事前に対策を進める必要がある。
野菜と水産養殖。 華南の露地野菜は急速生長期と収穫最盛期へ入る。水産養殖では台風期の洪水被害へ備え、池の巡回と水質管理を強化する。
#### (二)台湾地区
水稲:台湾中部――彰化、雲林、嘉南平原――では二期作稲が白露に出穂・開花期へ入る。南部の高屏地区でも二期作稲が出穂・開花期へ入る。北部の桃園、新竹では二期作稲が節間伸長から穂ばらみ期へ入る。
野菜:白露の頃、台湾各地では秋播き野菜の播種・育苗が引き続き進む。
果樹:柑橘は果実着色期へ入り、バナナは果実発育期から成熟前期へ進む。
茶:南投、嘉義など中南部茶区では茶園の秋季管理が続き、秋茶の摘採、剪定、施肥、病害虫防除を進める。文山、三峡など北部茶区でも秋季管理が続く。
漁業:白露の頃も台湾周辺海域では漁獲が続く。台風シーズンも継続しており、沿岸地域では防颱準備を進める。
農諺と民俗:台湾民間には 「白露勿露身,早晚要叮咛」――白露の頃は気温が下がり、朝晩の寒暖差が大きいため、衣服を足して身体を冷やさないようにする――という言葉が伝わる。また、「白露白迷迷,秋分稻秀齐」 は、白露の頃から稲が成熟し始め、秋分の頃には全面的な収穫期へ入ることを表している。さらに 「白露吃龙眼」 の習慣があり、白露の頃に多く出回るリュウガンを食べて身体を滋養するとされる。
世界の異常気象 · リスクと備え
北半球温帯:早霜――白露最大の脅威
白露は東北の高緯度地域、特に黒竜江北部や内モンゴル北東部で早霜リスクが最も高くなる時期であり、9月上旬から中旬に早霜が発生する可能性がある。早霜は未成熟または未収穫のトウモロコシ、水稲、大豆へ深刻な凍害をもたらし、軽度の場合でも粒の充実不足や千粒重低下を引き起こし、重度の場合には株全体を凍死させて大幅な減収につながる。対策として、早霜前の急速収穫 によって成熟した作物を優先して収穫する。さらに、霜予報前に 5〜10cm 灌水する 霜前灌漑 を行うことで、地表温度を 2〜3℃ 高めることができ、これは白露の時期に最も効果的な防霜対策となる。また、耐寒剤を散布する。
北半球温帯:華西秋雨――長江流域最大の脅威
白露の頃になると、四川、重慶、貴州、陝西南部、湖北西部などで秋季の長雨となる 華西秋雨 が現れ始める。農業への影響として、晩稲の出穂・開花期に長雨が続くと受粉不良となり、結実率が低下して秕粒が増える。秋収穫作物が収穫期に長雨へ遭うと、発芽やカビが発生しやすくなる。菜種や冬小麦などの秋播きでは、播種期に土壌水分が過剰になると耕起や播種が困難となり、播種品質へ影響する。農家は天気予報を細かく確認し、晴天を逃さず収穫・乾燥を進め、確実に収納する必要がある。
北半球温帯:台風と豪雨
華南と東南沿岸では白露の頃も台風活動期が続き、台風による暴風雨は広範囲の作物倒伏、果実の落果、温室施設の損傷、水産養殖への被害を引き起こす可能性がある。農家は台風警報を細かく確認し、事前に防災対策を進める必要がある。
南半球温帯:春の干ばつリスク
南半球では9月上旬の初春に、冬小麦が節間伸長から出穂期へ入り、水需要が増える。春季降水が不足すると春の干ばつが発生し、節間伸長、出穂、最終収量へ影響する可能性がある。オーストラリア南東部とアルゼンチンの農家は春季降水予報を確認し、干ばつ時には速やかに灌漑する必要がある。
熱帯地域:雨季後半と収穫期
北半球の熱帯地域――東南アジア、インド――では雨季が後半へ入り、水稲は収穫期へ進む。収穫期の豪雨には注意が必要で、強い雨は稲の倒伏、発芽、カビを引き起こす可能性がある。南半球の熱帯地域――ブラジル、アフリカ――では乾季が続き、乾季作物の収穫はすべて終了して乾季休耕期へ入る。
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