白露 風習
「露从今夜白,月是故乡明」
白露の節俗は、「収・祭・食・飲・醸・補・戯」 の七つにまとめることができる。「収」 は清らかな露を集めることを指し、早朝に百草の先に宿った露を採って、茶を淹れ、酒を醸し、胭脂を作るなどして、健康と安寧への願いを託す。「祭」 は禹王を祭ることで、太湖の漁民は七日間にわたる 「白露祭」 を行い、治水の英雄・大禹に感謝し、風雨の順調と漁業の豊作を祈る。「食」 は龍眼を食べることで、福建などには 「白露吃龙眼,一颗顶只鸡」 という言葉があり、この頃の龍眼は実が大きく甘みも強く、気血を補う。「飲」 は白露茶を飲むことで、民間には古くから 「春茶苦,夏茶涩,要喝茶,秋白露」 といい、甘醇で清らかな香りを持つ白露茶を味わうことは、秋を迎える風雅な楽しみである。「醸」 は米酒を醸して味わうことで、湖南省資興や江蘇・浙江一帯では白露になると家々で酒を仕込み、もち米、高粱などの五穀から 「白露米酒」 を造る。中を温め、熱を含み、ほのかな甘みを持つ酒である。「補」 は十様白やサツマイモを食べることで、浙江省温州などでは「白」の字を名に含む十種類の薬草を採り、烏骨白毛鶏と煮込んで身体を滋養し、風気を取り除く。「戯」 はコオロギを闘わせることで、江蘇・浙江の童謡には 「白露蟋蟀夜开口,秋兴斗场九十九」 とあり、人々は草の茎でコオロギを誘って闘わせ、茶を賭けて楽しみ、市井ならではの雅趣を味わった。
各地の節気習俗
| 地域 | 代表的な風習 | 特色 |
|---|---|---|
| 全国 | 清露を集める | 早朝に百草の先の露を採り、茶、酒、胭脂などに用いる |
| 江蘇省太湖流域 | 禹王を祭る | 白露の頃に七日間の香会を行い、治水の英雄・大禹に感謝する |
| 福建省福州 | 龍眼を食べる | 「白露吃龙眼,一颗顶只鸡」といい、朝に龍眼をむいて粥と一緒に食べる |
| 全国の茶産地(福建・浙江など) | 白露茶を飲む | 白露の頃に摘んだ茶は甘醇で清らかな香りを持ち、とりわけ茶好きに好まれる |
| 湖南省資興・江蘇・浙江一帯 | 米酒を味わう | 白露になると家々でもち米、高粱などの五穀から酒を醸す |
| 浙江省温州(蒼南・平陽) | 十様白を食べる | 「白」の字を含む十種類の薬草を採り、烏骨白毛鶏と煮込む |
| 全国 | サツマイモを食べる | 民間では白露にサツマイモを食べると脾を健やかにして食欲を促し、腎陰を強めるとされる |
| 江蘇・浙江 | コオロギを闘わせる | 白露はコオロギが最も盛んな時期で、草の茎で誘って闘わせ、茶を賭けて楽しむ |
| 全国、とりわけ南方 | 秋社 | 土地神を祭って豊作に感謝し、社酒・社肉を分かち合う |
白露の風習
清露を集める
主な地域:
活動内容:
清露を集めることは、中国民間に白露の節気とともに古くから伝わる習俗である。古人は白露の頃の露を天地の精華とみなし、吉祥の意味を持つものと考えた。民間伝承では、この露で目を洗えば目が明るくなり、肌につければ潤いを与えられるとされる。江南の水郷では今も、童子が青磁の瓶を手に、竹の梢に宿る露や稲穂の露珠を受け取るような風情ある光景を見ることができる。
この習俗には深い文化的背景がある。明代の李時珍『本草綱目』には、“秋露繁时,以盘收取,煎如饴,令人延年不饥”、“百草头上秋露,未晞时收取,愈百病,止消渴,令人身轻不饥,肌肉悦泽”、そして “百花上露,令人好颜色” と記されている。古人が白露の露を、病を治し、寿命を延ばし、美容にも効く天然の良薬とみなしていたことが分かる。
清露の集め方にもさまざまなこだわりがあった。朝の光がほのかに差し始める頃、人々は蓮の葉に宿る 「仙露」、古柏にたまった 「瓊漿」 を採り、雲華茶を煮たり、延齢酒を醸したり、百草の処方に用いたりした。そこには、道家の 「飲之涤秽,服之通灵」 という養生の道とも響き合うものがある。乾隆帝も、新秋の蓮葉に宿った露を採らせて茶を淹れ、これを 「荷露茶」 と呼んだという。民間において清露を集める行為には、人々の健康と安寧への願いが託されていた。
歴史的由来:
清露を集める習俗は、先秦時代にまでさかのぼることができる。屈原『離騒』には “朝饮木兰之坠露兮,夕餐秋菊之落英” という句があり、古人が朝露を大切にしていたことを伝えている。中国文化において露は吉祥のものとされ、とりわけ朝露が尊ばれた。白露の頃に凝る露は天地の精華とみなされ、「露润千秋」 という美しい願いを担うとともに、中国文化における 「天人感応、生々不息」 の哲学的知恵を託したものでもある。この習俗は先秦から今日まで続き、すでに二千年以上の歴史を持つ。
参加方法:
白露当日の早朝、公園や郊外の草木の間で、清潔な容器を使って露を集めることができる。農薬に汚染されていない植物を選ぶよう注意したい。集めた露は茶を煮るのに用いたり、簡単に顔を拭いたりすることができ、古人の風雅な暮らしを最も直接的に体験できる方法の一つである。
おすすめの体験地:
秋社
主な地域:
活動内容:
秋社と春社は、中国古代に土地神を祭った重要な伝統節日である。民間では土地神とその祭祀を行う場所をまとめて 「社」 と呼び、農事の時期に応じた祭祀習俗を形づくってきた。播種や収穫の季節になるたびに、人々は壇を設けて祭祀を行い、風雨の順調を願うとともに、神々の恩恵へ感謝した。
秋社の日取りは干支暦に従い、立秋後五番目の戊の日とされ、おおむね節気が白露から秋分へ移る頃にあたる。秋社の日、人々は神々を敬い、豊作への感謝を捧げ、祭神儀礼が終わると皆で社酒と社肉を分かち合う。農耕文明の記憶を担うこの祭日は、大地が万物を育むことへの感謝の儀礼であるだけでなく、農民たちが歌い、踊り、豊作の喜びをともに味わう民俗の盛会でもある。
歴史的由来:
秋社と春社はいずれも、古代に土地神を祭った 「社日」 である。古代には土地神そのものと土地神を祭る場所をどちらも「社」と呼び、民間の習俗では、播種や収穫の季節になるたびに社を設けて祭祀を行った。春社では豊作を祈り、秋社では神々へ感謝を捧げる。この習俗は先秦から近代まで続き、農耕社会における最も重要な祭祀節日の一つであった。
参加方法:
白露から秋分にかけて、南方の農村で秋社の行事を見学できる。一部の伝統村落では今も秋社祭祀の伝統が残っており、安全な区域から儀礼を見学し、この古い農耕祭礼について知ることができる。
おすすめの体験地:
禹王を祭る
主な地域:
活動内容:
白露の頃は、太湖の漁民が禹王を祭る時期である。禹王とは伝説上の治水英雄・大禹のことで、太湖のほとりの漁民たちは彼を 「水路菩薩」 と呼ぶ。伝説によれば、大禹は北から南へと治水を進め、黄河から江淮へ至り、最後には太湖で風波を起こしていた鳌魚を水中に鎮め、水害を取り除いたという。そのため太湖の漁民は大禹を守護神とみなし、毎年盛大な祭祀を行ってきた。
禹王を祭る香会は毎年四回、旧暦正月八日、清明、七月七日、そして白露の頃に行われる。その中でも清明と白露の春秋二大祭が最も盛大で、春祭は六日、秋祭は七日続く。祭祀の期間中、帆船には灯籠や色鮮やかな飾りが施され、人々は供物を捧げ、漁歌を歌い、風雨の順調と漁業の豊作を祈る。毎日一回の芝居が上演され、一回につき四演目――文戯二演目、武戯二演目――が組まれ、そのうち一演目は必ず 《打渔杀家》 である。この芝居には、人々のよりよい暮らしへの願いと憧れが託されている。
祭祀儀礼を主宰するのは 「祝司」 である。祝司は神歌を唱えて神々を招き、招かれるのは禹王だけではなく、城隍、土地神、花神、蚕花姑娘、宅神、門神、姜太公などにも及ぶ。諸神を招き終えると、祝司は一柱ずつ酒を捧げ、“造酒尔来是杜康,消愁解闷为最高。劝君更尽一杯酒,与我同消万种愁。” と歌う。続いて、米、小麦、サトウキビ、豆、菓子、装身具、茶などを盛った皿を捧げる。これを 「献宝」 と呼び、一つひとつの供物について讃歌を歌う。祝司が神歌を唱えると、祭祀に参加する人々も声をそろえて合唱し、場は大いに盛り上がる。その後、全員が禹王と諸神に叩頭し、祭祀を終える。
山西省の黄河沿岸では、禹王を祭ると同時に、土地神、花神、蚕花姑娘、門神、宅神、姜太公なども祭る。白露の頃には秋の水が満ち、魚や蟹も肥えるため、漁民たちは秋に獲れた最初の肥えた魚を禹王に供え、大禹が治水を成し遂げた恩徳に感謝する。
歴史的由来:
禹王を祭る習俗には長い歴史がある。『禹貢』には、大禹が三江を疏通し、“震泽底定” に至ったと記されている。震沢とは太湖の古称である。伝説によれば、大禹は太湖で風波を起こしていた鳌魚を水中に鎮め、水害を平定した。代々漁業で生計を立ててきた太湖の漁民たちは、大禹を 「水路菩薩」 とみなしてきた。この習俗は古代から今日まで受け継がれ、太湖地域で最も重要な民間信仰行事の一つとなっている。白露の頃は秋水が満ち、魚や蟹が肥える時期であり、この時に禹王を祭ることは、治水英雄への感謝を表すと同時に、その後の漁期の豊漁を願う意味も持つ。
参加方法:
白露の頃には、江蘇省の太湖沿岸、蘇州や無錫などを訪れ、禹王を祭る香会を見学できる。祭祀行事は一週間続き、その間には廟会、銅鑼や太鼓、舞踊、伝統演劇などが行われる。観光客は安全な区域から祭典や《打渔杀家》などの伝統劇を観賞できる。具体的な開催日は、事前に当地の文化・観光部門で確認するとよい。
おすすめの体験地:
白露茶を飲む
主な地域:
活動内容:
白露茶とは、白露の頃に摘まれた茶葉のことである。民間には古くから “春茶苦,夏茶涩,要喝茶,秋白露”――春茶は苦く、夏茶は渋い、茶を飲むなら秋の白露――という言葉がある。この頃の茶樹は夏の酷暑を経て、白露前後に再び良好な生育期を迎える。白露茶は春茶のようにあまりに柔らかく何煎も耐えないわけでもなく、夏茶のように乾いて渋く、苦味が強いわけでもない。少し火を経たような味わいが加わり、まさに 「ちょうどよい」。軽く一口含めば、口いっぱいに甘醇な味が広がる。
『茶経』には “春芽含苦,夏叶凝涩,白露凝香” とある。三伏の暑さに鍛えられた茶樹では、新たに萌えた芽葉が天地の精華を十分に蓄え、とりわけ甘醇で厚みのある味わいを見せる。茶の諺 “白露不采茶,经冬香不发” は、時節の妙を余すところなく語っている。かつて武夷の茶人は、白露の朝霧が初めて晴れるのを待ってから茶園を開き、この季節特有の 「月魄茶」 を摘んだ。青花纏枝蓮文の蓋碗で淹れれば、琥珀色の光が揺らめき、蘭の香りが脾へ沁み、七煎目になってもなお 岩骨花香 が残ったという。姑蘇の雅士たちは唐宋以来の煎茶法を受け継ぎ、とりわけ虎丘の 冷香泉 の水を汲んで茶を煮た。一杯の白露茶で味わうのは茶香だけではなく、四季が巡るリズムそのものなのである。
歴史的由来:
白露茶を飲む習俗には長い歴史がある。古人は、茶樹が夏の酷暑を経た後、白露前後に再び良好な生育期を迎え、この時期に摘まれた茶葉には独特の品質が備わると考えた。家庭に蓄えていた春茶もこの頃にはほぼ飲み尽くされ、ちょうど白露茶がそれを引き継ぐ。白露茶は甘醇で独特の香りを持ち、春茶の青さが少なく、夏茶ほど苦く渋くないため、とりわけ茶好きに好まれてきた。この習俗は節気の時令と茶文化を密接に結びつけ、中国人の 「茶を味わって時節を知る」 生活美学を表している。福建武夷山、浙江杭州、江蘇蘇州などの茶産地では、白露に茶を摘み、味わう伝統が現在まで受け継がれている。
参加方法:
白露の頃には茶産地を訪れ、茶摘みや製茶を体験できる。また、茶葉店で白露の新茶を購入して味わうこともできる。一壺の白露茶を淹れ、“春茶苦,夏茶涩,要喝茶,秋白露” に込められた季節の趣を感じることができる。
おすすめの体験地:
龍眼を食べる
主な地域:
活動内容:
福建省福州には、「白露には必ず龍眼を食べる」 という伝統習俗がある。民間では、白露の日に龍眼を食べると身体を大いに補う特別な効能があるといい、龍眼そのものにも益気補脾、養血安神、潤膚美容など多くの作用があり、貧血、不眠、神経衰弱などさまざまな病気を治すことができる。しかも白露前の龍眼は、どれも実が大きく種が小さく、甘くて味もよいため、まさに食べるのに最適な時期を迎える。伝統中医学でも、龍眼には養血安神、益気補脾、潤膚美容の効能があり、貧血、不眠、神経衰弱などさまざまな病気の治療を助けることができる。
福州では、龍眼の食べ方にも独特の儀礼感がある。かつて白露の朝になると、多くの家庭が早起きして龍眼の皮をむき、その果肉を一粒ずつ白磁の碗に丁寧に並べ、そこへ炊きたての熱い粥を注いだ。これが、素朴でありながら心まで温まる 「龍眼粥」 である。地域によっては龍眼を米酒とともに味わう習慣もある。当地方には “白露吃龙眼,一颗顶只鸡”――白露に龍眼を食べれば、一粒で鶏一羽に匹敵する――という俗語があり、多少誇張された表現ではあるものの、龍眼の滋養作用をよく物語っている。福州ではさらに、白露に龍眼を食べることには 「秋日圆满」、すなわち秋の円満という意味があるともいう。古くには 「南は桂円、北は人参」 という言葉もあり、龍眼が滋養食材の中でいかに高い位置を占めていたかがうかがえる。
歴史的由来:
白露に龍眼を食べる習俗は、福州地域に古くから伝わっている。龍眼は俗に 「桂円」 と呼ばれ、中国南方の特産物である。龍眼は旧暦八月の 「桂月」 に成熟し、その形が丸いことから 「桂円」 とも呼ばれる。白露の頃はちょうど龍眼が大量に出回る時期で、果肉はふっくらとし、甘みも最も強くなる。この食習俗は節気の時令、地方の産物、中医養生を密接に結びつけ、「不時不食」 の食哲学と 「薬食同源」 の養生思想を表している。白露に龍眼を食べる習慣は福州だけでなく、広東や広西など南方地域でも盛んである。
参加方法:
白露当日には果物店で新鮮な龍眼を購入し、皮をむいて食べることができる。福州の伝統的な食べ方は、朝に龍眼をむいて熱い粥と合わせ、「龍眼粥」 にすること。また、龍眼を米酒と一緒に味わうこともできる。白露の習俗の中でも、最も手軽に参加できるものの一つである。
おすすめの体験地:
米酒を味わう
主な地域:
活動内容:
白露米酒 は、白露を代表する節令飲料である。湖南省資興の興寧、三都、蓼江一帯では、古くから酒造りの習慣があり、毎年白露になると家々で酒を仕込み、客を迎える際には必ず 「土酒」 を振る舞う。もち米、高粱などの五穀から醸され、中を温めて熱を含み、ほのかな甘みがあり、「白露米酒」 と呼ばれる。江蘇や浙江にも、自家製の白露米酒を醸す習慣がある。昔の蘇浙一帯の農村では、白露になると家々で酒を造って客をもてなし、白露米酒を都市へ持ち込んで販売する人もいた。1930~40年代に至るまで、南京市内の酒店では白露米酒が量り売りされていた。湖南資興には “白露酿米酒,千年醉一回” という言葉がある。
白露米酒の中でも上等とされるのが 「程酒」 で、程江の水を使って醸すことからその名がつき、古くは貢酒として広く名を知られた。白露米酒の醸造は、水や節気の選び方だけでなく、製法にも独特の工夫がある。まず白酒、俗に 「土焼」 と呼ばれる蒸留酒と、もち米の糟酒をそれぞれ造り、一定の割合で白酒を糟酒へ注いで甕に入れ、飲み頃を待つ。程酒を造る場合には、さらに適量の 糁子水――糁子を水で煮たもの――を加え、甕を密封して地下に埋めるか、酒蔵に収め、数年から数十年を経てから取り出して飲む。数十年埋蔵した程酒は褐紅色となり、注ぐと糸を引くように見え、口当たりはよく、芳香が鼻を打ち、しかも後から強く酔いが回る。
俗に “饮罢白露酒,夜凉不盖被。”――白露酒を飲み終えれば、夜が涼しくても布団はいらない――という。米酒はそのまま飲むだけでなく、桂花米酒団子や米酒煮卵などの料理にも使われる。
歴史的由来:
白露に米酒を醸す習慣には長い歴史がある。諺には “处暑高粱白露谷”――処暑には高粱、白露には穀物――という。白露になると穀物が成熟し、酒造りにちょうどよい時期を迎える。新たに収穫した五穀で酒を醸すことは、豊作を祝う行為であると同時に、これから訪れる寒い冬に備えて身体を温める飲み物を蓄えることでもあった。この習俗には、農耕社会の 「時に応じて事をなす」 生活の知恵が表れている。
参加方法:
白露の頃には、湖南省資興や江蘇・浙江などで白露米酒を味わうことができる。当地方の農家では自家製米酒で客をもてなすことが多く、酒造りの工程について聞きながら味わうこともできる。また、家庭でももち米、高粱などの五穀を使って米酒造りを試すことができる。
おすすめの体験地:
十様白を食べる
主な地域:
活動内容:
浙江省温州などでは、白露の頃に 「白を食べる」 風習がある。蒼南、平陽などでは、白露の日に 「十様白」――地域によっては「三様白」ともいう――を採り、それを烏骨白毛鶏、または鴨と一緒に煮込む。食べれば身体を滋養し、風気、すなわち関節炎を取り除くことができるという。この 「十様白」 とは、白芍薬、白楊梅花、白木槿、白毛苦など、名前に 「白」 の字を持つ十種類の薬草であり、節気名の 「白露」 と文字の上で呼応している。
俗に “白露十样白,老来腿不摆。” という。人々は、「十様白」と鶏を煮込んだ料理を食べることで身体を滋養し、強くし、関節疾患の治療にも一定の効果があり、秋燥を和らげるよい方法にもなると考えている。この食習俗は、節気名と食材を巧みに対応させたもので、「白露」には「十様白」 という、民間の 「名をもって時に応じる」 文化心理を表している。
歴史的由来:
「十様白」を食べる習俗は、温州地域に古くから伝わっている。白露の頃には気候が涼しくなり、風湿性の病が起こりやすくなるため、人々は祛風除湿の効能を持つ薬草を鶏と煮込み、関節疾患の予防や治療に用いた。この習俗は、節気の時令、地方に伝わる薬草知識、養生の必要を密接に結びつけたものであり、民間の 「薬食同源」 の素朴な知恵を表している。
参加方法:
白露の頃には、浙江省温州の蒼南や平陽などで、「十様白」入り烏骨白毛鶏煮込み を味わうことができる。当地方の飲食店では白露前後に季節限定の「十様白」料理を出すことも多い。また、中薬店で白芍、白朮、白茅根など「白」の字を持つ薬草を購入し、家庭で鶏と煮込むこともできる。
おすすめの体験地:
サツマイモを食べる
主な地域:
活動内容:
民間では、白露にサツマイモを食べると食後に胃酸が上がらなくなると考えられていたため、昔の農家では白露の日にサツマイモを食べる習慣があった。中医学ではサツマイモを良薬とみなし、「長寿食品」 とも呼ぶ。李時珍『本草綱目』には “甘薯补虚,健脾开胃,强肾阴”――甘薯は虚を補い、脾を健やかにして胃を開き、腎陰を強める――とある。白露の頃はちょうどサツマイモの収穫期でもあり、甘く、やわらかく、もちっとした食感を持つ旬の滋養食材である。
歴史的由来:
白露にサツマイモを食べる習俗は、民間におけるサツマイモの養生効果への認識から生まれた。サツマイモには食物繊維やさまざまなビタミンが豊富に含まれ、脾を健やかにして食欲を促し、虚を補い、腎を強める効能があり、白露の 「秋燥を防ぎ、身体を補う」 という養生の必要に合致する。この習俗には 「不時不食」 の食哲学が表れている。
参加方法:
白露当日には市場で新鮮なサツマイモを購入し、蒸す、茹でる、焼くなどして食べることができる。白露の習俗の中でも、最も手軽に実践できるものの一つである。
おすすめの体験地:
コオロギを闘わせる
主な地域:
活動内容:
コオロギを闘わせることは、白露の頃に江蘇・浙江で盛んな民間娯楽である。江蘇・浙江の童謡には “白露蟋蟀夜开口,秋兴斗场九十九” という言葉がある。白露はコオロギにとって 「黄金期」 で、成長が早く、身体も丈夫になり、まさに闘わせるのに最適な時期を迎える。人々は草の茎を使ってコオロギを誘い、茶を賭けながら勝負を楽しみ、市井ならではの雅趣を味わった。大人たちはまず子どもを連れて田野へコオロギを捕りに行き、その後、木陰でコオロギ相撲を始めた。
歴史的由来:
コオロギを闘わせる習俗には長い歴史があり、文献によれば唐代に始まったとされる。コオロギには 「促織」「蛬」「吟蛩」「趣織」 など多くの別名があり、本来よく鳴き、闘争性も強い。白露の頃にはコオロギが最も多くなり、民間ではそれを闘わせて楽しみ、秋ならではの独特な市井風情をつくり出した。この習俗は節気の時令と民間娯楽を密接に結びつけ、秋の収穫作業の合間に人々が楽しんだ暮らしの情趣を表している。
参加方法:
白露の頃には、農村の田野でコオロギを捕まえ、友人と闘蟋蟀を楽しむことができる。一部の民俗文化村では、白露前後にコオロギ相撲の実演や体験行事が行われる。
おすすめの体験地:
白露祭(秋祭)
主な地域:
活動内容:
白露の頃、一部地域には秋祭を行う伝統がある。古代の白露祭祀は通常一週間ほど続き、その間には演劇も上演された。よく演じられた演目には 《打樱桃》 と 《打渔杀家》 があり、《打樱桃》は京劇の伝統演目で、才子と佳人の恋物語を描く。祭祀期間中、《打渔杀家》は必ず上演される芝居であり、人々のよりよい暮らしへの願いと憧れが込められている。
歴史的由来:
白露の秋祭は、古代の 「秋嘗」 の伝統と同じ流れに属する。白露の頃には農作物が次々に成熟し、人々は祭祀を通じて祖先や神々へ収穫を報告し、感謝を表した。この習俗には、中華民族の 「敬天法祖」 の文化伝統が表れている。
参加方法:
白露の頃には、各地の祭祀行事について確認することができる。一部の伝統村落では今も秋祭の習俗が残っており、安全な区域から祭祀儀礼や伝統演劇を観賞できる。
おすすめの体験地:
結び
白露の民俗が形づくられてきた背景には、露が白く凝り始める頃、古人が 「秋の気配が次第に深まっていく」 ことを身体で感じ取り、それを文化として表現してきた姿がある。白露は仲秋の始まりであり、この頃から昼夜の気温差が大きくなり、早朝の草木には白い露が凝結し始める。『礼記・月令』には “孟秋之月,凉风至,白露降”――孟秋の月、涼風至り、白露降る――とあり、この物候を正確に記録している。古人は「露」が凝る姿から秋の粛殺の気を読み取った。露が白くなれば秋は深まり、それは人々に、間もなく訪れる寒い冬への備えを促すしるしでもあった。
長い歴史の中で、白露には 清露を集めること、米酒を醸すこと、白露茶を飲むこと などの習俗が積み重なってきた。古人は白露の露に特別な薬用価値があると考え、李時珍『本草綱目』には “秋露繁时,以盘收取,煎如饴,令人延年不饥”――秋露が多い時に盤で集め、飴のようになるまで煮れば、人を長生きさせ、飢えを感じさせない――と記されている。江蘇・浙江一帯では白露に米酒を醸す風習があり、白露酒は中を温めて熱を含み、甘いがくどくなく、秋の日に少量味わうのに最も適している。民間には 「白露茶」 というものもあり、この時期に摘まれた茶は、春茶ほど柔らかくて何煎も耐えないわけでもなく、夏茶ほど乾いて渋く、苦いわけでもなく、独特の甘醇さを持っている。
朝、最初の一粒の露が草の先に凝り、秋の午後、一杯の白露茶から甘醇な香りが立ち上る。そのとき、白露の民俗は単なる節気の交替ではなくなる。それは、細やかな変化の中から季節を感じ取り、食と飲み物を通して自然の流れに身を合わせる、中国人の暮らしの美学 そのものなのである。
読者からの声
世界中の暦と伝統文化を愛する人々が、同じ月を見上げる。
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